私たちの頭は、体重の約10%の重さがあります。体重50キロなら5キロ、2Lペットボトル2本よりさらに重いのですから、支えとなる部分には大きな負担がかかります。本来背骨でしっかり支えるべきなのですが、猫背になっていると正しく支えられず、肩や背中の筋肉に負担がかかることで筋肉が硬くなり、コリが起こります。
また、上半身をしっかり背骨で支えきれていないため、腰に負担がかかりそのSOSが腰痛となって現れます。
猫背になっていると、脳脊髄液の流れが滞るほか肋骨を圧迫して呼吸が浅くなることからも、自律神経のバランスは崩れがちになります。
自律神経失調症になると、気分の落ち込みや焦燥感、イライラなどの精神的な症状のほか生理不順、食欲不振、めまいやしびれといった身体的な症状も現れます。この状態にさらにストレスや疲労が重なれば、うつ病などに発展する危険性も十分考えられます。
自律神経の働きの低下は、血流を滞らせるため内臓の働きも低下させてしまいます。また、猫背で胃の周辺を圧迫することで胃腸の働きが悪くなり不調が起こることも。
そのほか横隔膜が歪むことで胃が横隔膜に被さり、逆流性食道炎にかかる可能性もあります。
筋肉が硬くなってコリが生まれると、血管が締め付けられ血流が悪くなります。老廃物の排出もうまくいかなくなるのでむくみやすい体に。
そのほかにも、脳への血液の流れの悪さは、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの大きな血管障害につながる可能性もあるのです。特に頚椎のカーブが失われた「ストレートネック」になっているとこれらは起きやすくなります。
猫背になると肺が圧迫され、深く呼吸することが難しくなります。胸をとりまく骨格である「胸郭(きょうかく)」が下向きになっているとうまく持ち上がらないためしっかり膨らませられず、その状態が続くことで膨らみにくい胸郭になってしまうのです。
また、本来息を吸う時に使われる横隔膜や腹横筋がうまく働かないので、肩や首の筋肉で吸おうとしてしまい、肩こりを悪化させることも。
何度も言いますが、猫背は骨盤や体が歪み、バランスが取れていない状態。正しく体に負荷をかけることができないので、一部の筋肉へ負担がかかりコリや痛みとなって現れます。
そして自律神経や血流の乱れ、浅い呼吸は体を疲れやすくしてしまいます。日頃から取れない疲れの原因は、猫背にあるのかもしれませんよ。
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